2025.12.11(木)つるラボゼミ:秋山ゼミ④を開催しました
つるラボゼミ
レポート
指導者向けゼミ・研究会
12月11日(木)に、山梨県立図書館にて、2025年度のつるラボゼミ第4回秋山ゼミ 子どもと大人の「ケア」と「ウェルビーイング」を開催しました。
ファシリテーターは山梨大学の秋山麻実先生。

■ 第四回 開催概要
子どもと大人の「ケア」と「ウェルビーイング」
保育理論を探索する 第3回 私たちの声はどこへ?
ファシリテーター:秋山麻実先生(山梨大学)
声を聴いたり、話したりすることに、一体何の効果があるのでしょう?
第2回の実践とともに、声の理論の広がりを探ってみましょう。
■ 問いの共有
まず、前回の対話を踏まえ、以下のような多くの問いが投げかけられました。
・保護者とのつながり、今いる先生とのコミュニケーションをよくするには
・保育者や保護者とのいい関係とは
・しんどさを解消できない~構造的な問題/どこに声を持って行ったらいいのか、誰と共有できたらいいのか
・保育者同士で、もう少し面白い保育をするために、どうしたらいいのか
・保護者には、どんな立ち位置にいてほしいのか、保護者との関係をどう作っているのか
・面白い保育は良い保育なのか、面白いってことだけがいいのか。

■ 事前課題の共有
事前課題として、秋山先生から、
楽しい保育/活動や、理想の保育/活動について(やったことでもやりたいことでも)について考えるというお題がありました。
共有の中で、このような声が出てきました。
・大胆なことやっている園ほど、保護者にも理解してもらう必要がある(普通の保育園に預けたつもりが…と感じる保護者もいるため)だからこそ、保護者も巻き込まないといけない
また、面白がり下手な子が増えているという話題も出ました。
ここで言う面白いは、心が動く・体も動く・またやりたいと思うという感覚のこと。
一方で、学校現場のエピソードとして、指摘して直させる号令文化(子どもに子どもを管理させることで、ダメな子はいつも注意されてしまっている構造)を恐ろしいと感じた経験や号令によっての挨拶はできるけど、どこか違和感があるというお話も出ました。
子どものエネルギーをそこに使うのはどうなのか。
”統制された身体は、「またやりたい」と思う身体にはならない”という言葉が印象的でした。

■「面白さ」のその先へ
話の流れで、さらに問いが深まっていきました。
・どんな「面白い」が必要なのか
・面白さの価値を共有するとき、誰に伝えるのが大変か
・何がうまく伝わらないのか
・「その先」はどうやって作るのか
絶対的な正解はありません。それでも、大いにもやもやしながら面白さのその先を問い続けたいと思いました。

■好きから始まる活動
子どもの「好き」をきっかけに、活動が少しずつ広がっていった事例が共有されました。
うちわや飾り、立体作品づくりなど、ICTのテンプレートを活用。
「やり始めたら面白くなっちゃって、次は何する?」
保育者自身も前のめりに楽しんで取り組む様子が伝わってきました。
一方で、どうしたら保護者に伝わるのかという問いが生まれました。
世の中では、体に絵の具をつけるのは体に悪いと避けられる園が増えていることが例として挙げられ、
なぜある保育園はOKで、別の園ではNGなのか。
について考えました。
また、 そこに保育者の想いがあればOKなのではないか。
子ども発信で遊びがはじまるところを広げていっているからいいのではないか。
園でやることの種類の規制はあるか。
やったりやらなかったりする基準はあるか。
面白いかなと思って。やってみなきゃわからないから。
その子にとって、いい経験、一歩踏み出すことになるかもしれない。
いろんな考えを聴き合いました。

■品のない言葉とどう向き合うか
子どもが覚えたての言葉を面白がって使う場面は、日常の中でよく見られます。
そのとき、大人はどう受け止め、どう関わるのか。
その対応の難しさが話題になりました。
「不快に感じる人がいるから止めるべきなのか」「そもそも禁止するべきなのか」
大人の反応を、子どもたちはよく見ています。
ふざけているように見える言葉遊びが、観察や知識につながり、意味を持ち始めることで、自然と落ち着いていくこともあったというエピソードも紹介されました。
どこで線を引くのか、明確な正解はありません。
言葉と距離をとりながら、子どもの姿をよく見て関わり続けること。
その迷いや揺らぎこそが、保育の大切な視点なのかもしれないと感じました。

■「言える組織は腐らない」
答えを先輩が出してくれるんだろうなというのはお互いにとってよくない。
でも実際、気持ちの話って難しい。
その前提がある中で、場に出せる組織は腐らないという話がありました。
■いまこの瞬間を味わう
たくさんの遊びがある中で、”いまここ”の視点ではあれだった。
面白い・好きって気持ちがうまれ、伝えることをしたときに、
へぇ~そうなんだと応答してくれる人がいる。
なにやったらそれをもっとおいしく味わえるのか。
ひとりで好きなだけでは広がりきらないが、
誰かとそれを味わうことで、 違う方法で好きが深まってますます好きになる。
子どもたちの身の回りでまわっていくこの循環こそが教育であり、一方的に伝えることが教育ではないんだ。
つるラボが大切にしている探究の在り方につながる時間となりました。

次回はいよいよ最終回。
参加者のみなさんそれぞれが、自分なりの
「ケア」と「ウェルビーイング」についてのもやもやも抱きしめながら、
これからも問い続けていけますように。

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