2025.11.6(木)つるラボゼミ:秋山ゼミ③を開催しました
つるラボゼミ
レポート
指導者向けゼミ・研究会
11月6日(木)に、都留文科大学にて、2025年度のつるラボゼミ 第3回秋山ゼミ 子どもと大人の「ケア」と「ウェルビーイング」を開催しました。
ファシリテーターは山梨大学の秋山麻実先生。
■ 第三回 開催概要
子どもと大人の「ケア」と「ウェルビーイング」
保育理論を探索する 第2回 保育がしんどいのはどんなとき?
ファシリテーター:秋山麻実先生(山梨大学)
保育者だって人間ですから、いつも保育にやりがいがあるとは限りません。
しんどいことや矛盾など、話すことでどんな解決ができるのか、探してみましょう。
第三回は、子どもたちのために毎日がんばっている保育者のみなさんたちと一緒に、
ケアについて改めて考える時間になりました。

前半では、『ケア宣言――相互依存の政治へ』(大月書店) の序章・第1章・第2章の抜粋を読み、ケアをめぐる社会の構造についてみんなで深めていきました。
ケアする側であり、ケアされる存在でもある私たち
秋山先生から、ケアをめぐる社会の背景についてお話がありました。
子どもたちや他者と関わる中でケアする側として考えることが多いですが、
そもそも社会そのものがどのようにケアを扱ってきたのか。
これを知ることで、今のしんどさの理由が少しずつ見えてきました。

ブルシット・ジョブという視点
ブルシットジョブとは、一見すると立派な肩書きや業務でも、社会にとって本当に必要なのか曖昧な仕事のことを指します。
組織内にまとめる役割の人は必要だと言われているが、本当に必要なのか。
無駄な業務とは何か。無駄な業務はあるのか。そもそも、無駄とは何か。
その業務は、子どもたちのために必要なこととの関係はあるのか。

新自由主義=自己責任を強く求める社会
新自由主義的な資本主義社会においては、
- 自助(自分でなんとかする)
- 共助(地域・家族で助け合う)
- 公助(行政が助ける)
というバランスが崩れ、まず自分で頑張れという空気が社会全体に広がります。
これが、ケアの現場が抱えるしんどさとも深く関わっていることが語られました。

ケア・ウォッシングとは
「ケアしている」というイメージだけをつくり出すことを、
ケア・ウォッシングと呼びます。
実際には十分なケアが行われていないのに、
「ケアしている」「配慮している」ように見せる。
たとえば「SDGs」と書かれているだけで、
なんとなく 良い会社・社会に貢献している会社 だと感じてしまうことがあります。
企業や組織が掲げる“きれいな言葉”の裏で、
実際には
- ケア労働が正当に評価されていない
- ケアする人の負担が大きいまま放置されている
- 現場のしんどさが見えないことにされている
など、そんな状況が起きていないでしょうか。

ケアには、お金も時間も手間もかかる。
儲かるはずがない。
だからこそ、
儲けや効率の視点だけでは語れない分野であり、
社会全体での理解が欠かせないのです。
ケア・コレクティブ
ケア・コレクティブとは、
ケアを「個人の責任」にせず、
人・組織・地域・制度など、
複数の主体で“支え合いながら担っていく”という考え方です。
ケア・コレクティブの核にあるのは、依存とケア。
誰もが、誰かに支えられて生きている
ケアについて考えるとき、
「依存=よくないこと」と捉えられてしまうことも少なくありません。
ケアは、
個人の善意や根性に任せるものではありません。
現場の保育者だけが抱え込まない。
組織やチームで支え合う。
行政や制度が責任を持つ。
家庭や地域も、関係者として関わる。
ケアを「誰かひとりの頑張り」にしないで、
みんなの仕事として引き受けていく。
それが、ケア・コレクティブの考え方です。

現場の声を持ち寄る対話の時間
後半は、参加者同士の対話の場へ。
詳細は伏せますが、さまざまな声がありました。
ゼミの時間が終わっても話題が尽きない第3回でした。
次回のゼミでも、
現場の声を大切にしながら、
「ケア」と「ウェルビーイング」を
ともに考えていきます。
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